きおくのきろくか

STAR TRAIN新参がPerfumeに悶えるブログ。

ドラマ「パンセ」の好きなところ(注:ネタバレ)

ドラマ「パンセ」の感想は各方面からあがっており、とても良い評価をしてくれている考察つきの記事などがあったりでその筋の方々にも好評なようです。それを読むとわたしまで嬉しくなってしまいます。

 

して、わたしが感じたドラマ「パンセ」の好きなところは……全部!と書きたいところですが、メンバー全員宛てのメッセージに結構ビャビャビャー!と書いてしまったので、ここでは最も好きなところだけ書きたいと思います。

 

わたしが最も好きで見るたび涙が出てしまうシーンは、後編でのりぶうが力丸に「いってらっしゃい!」と言う場面です。のっちの、あんなに張った声をわたしは聴いたことがなくて驚いたこともありますが、力丸を気にかける気持ちがたくさん詰まったあの表情と声にわたしの心は震えてしかたなくて、のりぶうの本当の優しさを感じてあたたかい気持ちになりうっかり涙してしまうのです。

 

というのも、このシーンまでにのりぶうは力丸のことを「面倒くさい」と言ったり、「厄介なことを背負わされて、本当は逃げて行きたいんだろ」と力丸に言われたのりぶうは「そりゃあ、そうだけど」と肯定したり。更には「払った金は俺が返す」と言う力丸に「どうやって返すの。働いてないのに」と返します。一見するとキツいなと思いますが、気持ちを隠さずに力丸と向き合う明け透けな感じは寧ろ羨ましくもあり、のりぶうめっちゃ良いヤツだなと感じる部分でもあります。

 

それから力丸は自ら行動を起こし、居眠りをするどんちゃんの許で家や生活にかかったお金とそのお金を彼女らが支払っていることを知ります。その後力丸は、家の敷地内で「ああ、金が欲しい」と結構な声量で呟くとそこを通りかかった小学生が自分の財布から硬貨を取り出し力丸へ100円玉をあげます。

 

次の次のシーンでは駅前でレモンを販売する行為に出る力丸ですが、最初に見た時はスピード感がありすぎると思いました。でも、あ~ちゃんが公式Twitterアカウントでコメントしていたように“彼はずっと行動したくてうずうずしていた”という捉え方が最も的を射ているかもと思いました。まだ自分で動ける45歳のおっさんが、自分より年下の子達に守られてることの恥ずかしさや情けなさみたいなものを感じて、やっと自分の力で動き出す。年齢などを加味すればこのスピード感はそんなに変なものでも無いのかもと思いました。

 

力丸は凄い、と思うところには引きこもってるという部分にもあって、自分が力丸の立場だったら直ぐ自殺かなんかします。でも力丸は人として必要な感覚や自分を守るという強さを持ってる。生きるだけの力がある。のりぶうに焚きつけられて恥を感じて次の行動に出るとき、引きこもりのクセに誰にも相談せず1人だけでがんばって門の外へ出ようとする。ものすごく勇気を振り絞って。力丸なりに。

 

その姿を見かけたのりぶうが力丸に声をかけ

「どこ行くの」

「ちょっと」

「外出れんの」

「いってきます」

「いってらっしゃい!」

というやり取りをします。セリフだけ並べるとなんじゃこりゃですし情報はほぼありませんが、これまでののりぶうと力丸の会話を思い出したり、演者である勝村さんの間の取り方や、のっちの嘘っぽくない引き込まれるような情感の込め方や表情を見ると胸を打たれてしまってポロポロ涙が出てくるのです。がんばる力丸と、力丸を気にかけるのりぶうに。シンプルな会話だからこそ深く刺さります。

 

信じられなくなったものをもう1度信じること、誰かを想って行動すること、信じて待つこと、誰かの幸せを願うこと。見えるものや分かりやすいものばかりではなく、見えないものを感じることの大切さをこのやり取りから感じる気がするのです。

 

ですから、「いってらっしゃい!」という場面が好きとは書きますが、この「いってらっしゃい!」を言うまでの時間全てが大切で大好きということです。つまりはやはり、全部!なのです。

 

ただ、どうしたってこうしたって50分だけではあまりにも短い。そこが唯一寂しく思う点です。楽しいドラマだから余計に過ぎる時間が早く感じますし。是非、連ドラ化して欲しい。心から切望します。どんちゃん、おかみど、のりぶうの時間をじっくり見させて欲しい。お芝居をするPerfumeの3人をもっとたくさん見させて欲しい。

 

こんなに楽しい作品を50分で終わらせるのはもったいない。きっとドラマ「パンセ」を観た人は誰かの幸せを願うことの大切さに気が付くだろうから。あと、めっちゃPerfumeのライブに行きたくなるだろうから。