きおくのきろくか

STAR TRAIN新参がPerfumeに悶えるブログ。

Reframe - 2018.3.20 感想

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恐らくノーカットの全編がNHK BSプレミアムにて放送されると思いますので映像はそちらで確保しましょう。何が行われていたのかという詳細なレポートはプロの方々がアップしてくれていますので足りない情報はそちらで補完しましょう。わたしもそうします。

【ライブレポート】Perfumeを最新テクノロジーで再構築、観客は1時間ノンストップで驚きの連続(写真8枚) - 音楽ナタリー

Perfume、最新テクノロジーと圧巻共演「こういうライブもありじゃろ?」 | ORICON NEWS

Perfume、ドローン飛び交う舞台…最新技術で今までの歴史再構築/ライブレポート | MusicVoice

 

わたしはいつもの如くただただ感想を羅列していきます。

 

まず、わたしの座席は3階25列目、つまりNHKホールの一番後ろ、天空席でした。だからこそ色んな人が見えました。ハゲ、おっさん、お兄さんお姉さん、お母さんお父さん、綺麗な人、美しい人、汚い人、可愛い人、色んな人。CEツアー幕張の時に初めて見た客層のバラエティさは、Perfume初の着席観覧“LIVEショー”に於いてまで一緒でした。今現在も変わらず老若男女の客を集められるPerfumeさんマジかっけぇなって始まる前からドキッとしてました。

 

観る者に許されたのは少しの呼吸と目を開き感じることだけ

非常灯が落とされ、照明が少し暗くなると騒めきが止み誰もがステージに目を向けました。1人くらいスットコドッコイなヤツが立っちゃうんだろうな~と始まる前は想像してましたが、着席して観覧することは全ての客に浸透しているようでおもしろいくらい全員がお利口にしていました。ただ、とてもじゃないけどそんな粗相ができるような空気ではなく、一つも音を立てられないギチギチとした緊張感が会場全体を漂っていました。この時期ですから花粉症の方や風邪の方もきっといらっしゃったでしょうに、咳1つ、鼻をすする音1つすらしませんでした。この空気を絶っっっっ対に崩してはならない。そんな雰囲気でした。

 

そして、すべての照明が完全に落とされ公演がスタート。ステージ上にはそれぞれサイズの違う白いブロックが隙間なくぎっしり積み重なって壁となって設置してあり、そこへプロジェクターからの映像が映し出されました。

 

ふむ、プロジェクションマッピングPerfumeさんによってもはや当たり前となってしまったプロジェクションマッピングのパフォーマンス。まさかこれでずっとやってく感じなんだろうか。Perfumeさんが好きな以上、その魅せ方にはもう慣れてしまってますから、ちょっとやそっとのことじゃ驚きませええええええええええ!?!?おまペロの時の3人映っとるじゃん!?!?!ええええ!?!?最新のステージにプロジェクションマッピングでASH時代のインタビュー受けてる3人が映し出されとるじゃん!?!こ、混乱!!!しかもその受け答えの音声素材がカットアップされてREMIXされとるじゃん!?!?さすがにイチから再構築しすぎでは!?!?!!?!?ええ!?!?と、思った時ハッとしました。もう驚くことが無いほどそのテクノロジーと共演してるPerfume……その当たり前となってしまったものを、ぱふゅ~むの始まりから遡ってまで再構築していくのか…と、やっと趣旨を理解したところでステージのブロックが移動して組み変わりステージの上にもう一つステージが出来上がったそこに3人が現れる。曲は「DISPLAY」。やっべ…、鬼好きな曲キタけど混乱してるし声も出ない……。

 

いつものライブならぎゃあああ!!!とか、あああああああああ!!とか、うううううううううううう!!!とか叫ぶのに、だっっっっっれも声を出さない動かない。魂がPerfumeにとられてる。必死。もう必死。初っ端から新たに提案される、見たことないPerfumeのステージング、パフォーマンス。ブロックが形を変え色を変え、変わったライティングで3人を照らす。それを一つも見逃してたまるかと、呼吸が止まってると思うほど目や耳に力が集中する。いつもと全然違うPerfume。どうしよう…歴史的瞬間を目撃しちゃってる…。Perfume側も煽りの声などは一切発さず、わたしの位置から見えてる3人の姿と思わしきものはともすればホログラムなんじゃないかと感じるほど強く無機質なPerfume。なめらかに揺れる髪の動きを見て、あやっぱ本物だよね?と、やっと確認できる感じ。

 

そしてそれらの情報が整理される間もなく止まることなく次のパフォーマンスの「Record」。3人の生声100%がここで初めて聴こえてきました。でもそれはいつもの挨拶やMCからのものではなく、歌を歌うPerfume。面白い。決められたフレーズを1人ひとりが声にしてその場でサンプリング。声を出してるメンバーのレコーディングブースのようなステージには【●REC】の文字が赤く点滅したり、メンバーの目や唇だけのアップが表示されたり。それぞれの声をかけ合わせていきリアルタイムで曲にしていく、かのように見えるパフォーマンス。誰の目かわかる、誰の唇かわかる。これから行われることってもしかしてファンクラブトゥワーよりもっとずっと深いものなんじゃないかとこの時思い始めました。

 

それからその流れのまま生歌100%で聴こえてきたのはアカペラの「Butterfly」。この時かしゆかがコメントムービーで話していたいつものPerfumeがやらないような曲はButterflyのことだったのか…と理解するもそれぞれ1フレーズずつソロのアカペラってもう想像の斜め上行き過ぎていてああもう驚くの止めようダメだダメだ目玉が下に落ちちゃうと思ってるとついにPerfumeで10個以上のドローンとパフォーマンスきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっああああああああああああああああああああああああっっうわああああああああああああああああああいっぱいドローン操ってるPerfumeかっけえ…っ、マジカッコいいっ…振り付けがコンテンポラリーカッコいいダンスとおとなKawaiiダンスが混在したPerfumeさんにしかできないようなヤツっっ…良いっ…良い…っっっ、という興奮すら心の奥の方に押し固め、きっとこの先二度とやらないであろうButterflyを踊るPerfumeをとにかく目に焼き付けることで必死でした。

 

からの「シークレットシークレット」。着替えて出てきた衣装は初東京ドームのような白くてフワフワした綺麗なドレス。ここで、自分の中に一つの気持ちが強く沸き上がってきました。

 

『3人の表情がめっちゃ見たい』

 

今回、ステージの空間全体を観覧するものとしてモニターなどは設置されず、遠い席の人間はその距離のままでしかPerfumeを見ることができず、本当に表情がわからない。だと思ってわたしは2月のトゥワーの時に購入した双眼鏡を持ってきてはいたのですが前述してる通り微動だに出来ない空気があること、目まぐるしく変わるステージ全体を使ったパフォーマンスをそのまま“全体”として見たい気持ちがあったので双眼鏡を構えることが非常に憚られたのです。

 

でも、もう見たい。3人の表情が見たい。我慢できない。どんな顔してこんな凄いことしてるの?どんな目線で客席を見てるの?お互いの表情は見てるの?笑ってるの?クールなの?ドライなの?気になって気になって仕方がない。丁度、ステージングに使われてたブロックが全て捌け、3人の距離がグッと近くなったのでもうここで見るしかない……!!!!!と、シクシクで初めて双眼鏡を構えました。そこで捉えた表情は

 

『あっ…がんばってるときの顔だ…っ』

 

いつもの3人が確認できました。なぜかホッとしました。知らない3人が居るんじゃないかって。実はアンドロイドなんじゃないかって。血が通ってないんじゃなかって。全てがテクノロジーとコラボレーションした、ノンストップの強いパフォーマンスばかりの中、3人の表情が見えないことがこんなにも不安なのかと自分でも不思議な気分でした。

 

そして次の曲「エレクトロ・ワールド」に続く前に、何もないステージ上を曲に合わせて無造作にウォーキングしだす3人。ただ歩くだけなのになんて艶めかしいんだ。たぶん今のPerfumeならウォーキングだけでパフォーマンスは成立するんじゃないかと思っているとフワフワのドレスをなめらかに脱ぎ捨て始めた3人。これはヤバい。“衣装を脱ぎ捨てるPerfume”が大好きマンのわたしとしては衝撃のパフォーマンスでした。なんてセクシーな。なんてアダルトな。3人とも凄くエロチックで、のっちさん曰くの心のスクショボタン100万回連打してたと思います。それほどわたしのフェティシズムに突き刺さる動作でした。して、その脱いだ衣装は無計画にステージ上に捨てられたのではなく、3人ともポップアップ機構の上に自然と捨て置いていたのもちょっとした感動でした。

 

あとは生配信されていた通りです。あの「FUSION」は仕組みがわからな過ぎて、凄すぎて、カッコよすぎて、マジカッコよすぎて開いた口が塞がりませんでした。3人の影が画になる凄さ。シルエットだけで誰の影かわかる強烈な記号感。「願い」をがんばって歌う3人。「無限未来」で魅せたインストで踊るPerfumeの新鮮さや、3人の手の動きに連動して動くレーザー光線。サビでそのレーザーが点のように星のように散らばりステージ上に宇宙が生まれたかのようにキラキラして3人を輝かせる演出。それもこれも何もかも3人が積み重ねてきた時間、想い、全て。赤い血の通った人間として生きている3人から切り出された素材で生まれたパフォーマンス。テクノロジーがあるからPerfumeがあるんじゃない。Perfumeがあるからテクノロジーがある。

 

これまでいくつもライゾマとコラボしてきた中で、パフォーマンスによってはインターネット各所で意見交換が行われていたと思います。批判的な意見にはテクノロジー>Perfumeに見えてしまっているという意見が大半で、それはもちろんPerfumeを想ってのこと。わたしもそう感じてしまうこともいくつかありました。でも、このReframeにはそう感じる場面は少なく、正にPerfumeをバラしてPerfumeで組み直している、PerfumePerfumeの素材で再構築してみたような実験や挑戦ばかりでわたしはおもしろいなとずっと感じてました。Perfumeとしては新しいことの連続で、見てみたかったこんなPerfume。であったり、直接目の当たりにしてこんな気持ちになるのかと自分の新しい感情を発見したり。

 

…少し話は飛びますが、Reframeが終わったあとお知り合いの方何十人かと集まってReframeどうだったよ会に参加して生の新鮮なオタクの声を聴く機会がありました。皆さん思い思いにPerfumeを語っていて、自分だけでは気が付かなかったようなことに気づかせてくれたり、そんな視点があるのかと新しい価値観を教えてくれたり、あの身体の動かし方が、あのダンスが、あの声が、あの衣装が、あのテクノロジーが。と、本当に人の数だけ色んなPerfumeがそこにあって、いつものライブの感想よりも深くステージングやパフォーマンスに着目した意見を聞いて、1つの観点がわたしの中に浮かび上がってきました。

 

もうご存知の通りテクノロジーとコラボしたPerfumeは誰も寄せ付けないほどカッコいいし、全てを突き放すほど美しいし、物凄く上質な芸術文化のように見えます。だけれど、いざこれまでのPerfumeとはまったく違う完全再構築された1時間全部まるっと≪Perfume x Technology≫を見て、自分はどのPerfumeが好きなのか?そんな疑問が出てきました。

 

テクノロジー>Perfumeが好きなのか?Perfume>テクノロジーが好きなのか?Perfume=テクノロジーが好きなのか?テクノロジーだけが好きなのか?はたまた“すっぴんPerfume”が好きなのか?ステージセットが好きなのか?照明が好きなのか?レーザーが好きなのか?ダンスが好きなのか?フリコピが好きなのか?自分が踊ることが好きなのか?自分が叫ぶことが好きなのか?中田ヤスタカの音楽が好きなのか?自分が歌うことが好きなのか?3人が着ている衣装が好きなのか?その衣装コピーすることが好きなのか?色んな服を着ている3人が好きなのか?声が好きなのか?しゃべりが好きなのか?ヘアメイクが好きなのか?身体が好きなのか?顔が好きなのか?3人の人間性が好きなのか?可愛いのが好きなのか?カッコいいのが好きなのか?セクシーなのが好きなのか?表情が好きなのか?3人の笑い合った顔が好きなのか?

 

色々なものが削ぎ落とされ研ぎ澄まされReframeされたPerfumeを、着席し1mmも動かず拍手をすることでしか3人を賞賛する行動を許されなかったファン自身の、気持ちの再構築をするきっかけとなるLIVEショー。それも含めての「Reframe」だったのではないかということに気が付きました。

 

Perfume側がそうした問いを込めていたかは定かではありませんし、わたしのとんでもない思い違いかもしれません。ですが、今回これほど大きな実験に挑んだPerfumeに対して、自分が求めるPerfumeをいま、再構築して想いを馳せるには良いきっかけなのではないかと感じました。

 

わたしが羅列した以外の要素ももっとたくさんあると思います。Perfumeの何が好き?その全て?その一部?

 

君はどのPerfumeが好き?

 

「Reframe」、最高のLIVEショーでした。あの場で目撃できたことを心から幸福に思います。ありがとうございました。