わたくし、時系列バラバラで歴史をなぞっているのですが、過去ラジオが「love the world」の時代になってきても3人が大きく変わることもなく、Perfume Planetからあまりにそのままなのでいったいどうなってるのかと思い、とりあえずポリリズム時代のQuick Japan Vol.74を手に入れました。
この雑誌、20Pから56PまでずっとPerfumeで、3人にはもちろん中田ヤスタカ氏と関和亮さんへのインタビュー、業界人による私がPerfumeを好きな理由、解説者によるおまペロからポリリズムまでの曲解説、そして「ポリリズム」発売記念イベントレポート等…非常に盛り沢山な内容で、思わず涙してしまう部分もありました。
先ず、Perfumeを紹介する文頭にある
彼女たちの、アイドルもテクノもごちゃまぜでしかも極端なスタイルは、「好きだから」という理由で何でも採り入れてしまえる新しい時代の力強い感性にぴっ たり重なっている。だったら僕たちも、曲やパフォーマンスやルックスが気に入ったのなら、ただPerfumeを好きになればいい。
僕たちは、彼女たちがいつかアイドルじゃなくなることを知っている。でも、だったら躊躇する理由はどこにもない。モタモタしてると彼女たちを見過ごして、ただ時代が過ぎていってしまうばかりだ。だから急ごう。彼女たちに、ひたすらに夢中になろう――。
(Quick Japan Vol.74 「アイドル」の意味を回復する3人 より引用)
この時点で涙腺がほんの少し緩められました。
わたしはPerfumeと出会ったことで、楽しいと感じることを素直に楽しむことを教えてもらっている最中です。それがわたしだけじゃなかったんだと思えるような気がして、嬉しいようなホッとしたような、ちょっぴり不思議な気持ちになりました。
そういった意味から、特に楽しんでしまったのがイベントレポートで、こういうのでボロボロ涙してしまったのは初めてだったので自分でも少し驚きました。
お前また泣いてるのかよという感じなのですが、この日Perfumeを観ようと集まった多種多様の2000人が泣きそうになるメンバーを見て一様に笑顔だったという、その表情が想像できたり、もらい泣きをしている人も居たという、その人のPerfumeを想う気持ちがなんだかわたしにも伝わってくるようで、2007年9月17日池袋サンシャインシティ噴水広場の興奮を遅ればせながらも今、ほのかに感じることができてどうにも涙が出てきてしまったようなんです。
それからここで語られている多くは、音楽を分類化することに慣れすぎてしまっていること、アイドルの定義、アイドルを差別すること、オタクを差別すること、オタク自身がジャンルを囲い込み孤立化していること、テクノのボーカル処理が歌い手の個性を排除していることによるアイドルが歌う意味等…このような凝りに凝り固まった概念をPerfumeのファンの人たちは誰もそんなことを気にしてはいないということ。
これがアイドルソングかどうか、テクノかどうかなんて、会場に訪れた人にとってはどうだっていいことだった。誰もがただ笑ってPerfumeのパフォーマンスを楽しんでいる。
誰がどんな風に楽しむべきなのかなんてことは言わない。どんなやり方もPerfume自身によって許されている。Perfumeのアイドルとしての優しさは、そうやって発揮されているのだ。
(Quick Japan Vol.74 新曲「ポリリズム」発売記念イベントレポート より引用)
このイベントレポートとして書かれたこれらの文章は、Perfumeが楽しいと思えるそのものを真に捉えたなんとも楽しいレポートで、ここから感じたことは3人はどこまでもありのままでそのままでポリリズムでもほんとに変わっとらんのんな!?ということでした。
もしかしたら、この全てが未来のかしゆかからすると誇張だと思われるかもしれません。ですが、このライターさんの文体と視点はとても冷静に感じられて、きっとたぶん、観客に混じった現場からの事実をありのまま報告された貴重なイベントレポートなんじゃないかと思いました。
あの場に居合わせられなかった身として、ほんの少しでも当時の熱を感じられるレポートに触れることができて本当にありがたい特集でした。
3人の1万字インタビューも印象的な部分があったので…
もう少々続きます。